国内線

(ルフトハンザドイツ航空)

国内線(英語: Domestic Flight)とは、航空路線のうち、同一国内を結びパスポートコントロール等CIQが不要である路線である[1]。基本的な区分は船舶・海運に基づく他、同様の概念は国際列車に対比する国内列車など鉄道や、道路で国境を超える路線バスに対比して国内で完結する路線バスなど陸路でも存在する。対義語は国際線。
概要
[編集]発着地が同一国内という性質上、出入国に纏わるパスポートコントロール等CIQが存在しないため、鉄道の新幹線など国内列車と同様、交通機関の搭乗手続きのみで利用可能である。 船舶や国際列車でも同様だが、出入国に関する手続きが無いぶん煩雑さが少なく、より身近に高頻度に搭乗できるという特徴がある。そのため乗客数の多い路線の上位は殆どを国内線が占めている[2]。
国土面積や近隣国との距離にもよるが、一般的に国際線と比較すると短距離を運航する。 国際線においても国際列車の高速化により高速鉄道とのシェア競争に晒される面はあるが大陸間など長距離であるため近隣国以外は航空路線の優位性が高い。対して、より短距離を飛行することが多い国内線は、離島以外は高速鉄道とのシェア競争が熾烈であり、高速鉄道整備によって縮小することが多い[3]。一方、国際線と異なり身近な生活路線として地域航空路線など交通困難地域のライフラインとなっている重要な面もある[4]。
各国ごとの国内線航空市場
[編集]| 順位 | 国 | 2018年 | 成長率 |
|---|---|---|---|
| 1 | アメリカ合衆国[注釈 1] | 958.1 | 4.4% |
| 2 | 中華人民共和国 | 685.1 | 9.8% |
| 3 | インド | 169.9 | 15.7% |
| 4 | インドネシア | 148.4 | 4.0% |
| 5 | 日本 | 146.5 | 1.0% |
| 6 | ブラジル | 119.6 | 3.4% |
| 7 | オーストラリア | 79.4 | 0.5% |
| 8 | ロシア | 74.9 | 9.8% |
| 9 | カナダ | 65.6 | 5.2% |
| 10 | トルコ | 65.1 | 5.2% |
日本
[編集]日本では、新幹線が北海道南部(道南)から九州南部(南九州)にまで広く発達しているため、路線によっては新幹線と航空路線が競合している。例えば、羽田札幌線や羽田福岡線など他の交通機関と比べ圧倒的に優位に立つ国内線もある一方で、羽田伊丹線[6]や羽田広島線[7]などと言った新幹線との競合路線も存在する。より短距離の羽田仙台線、羽田新潟線などは新幹線開業に伴い廃止となっている。
アメリカ合衆国
[編集]アメリカ合衆国は高速鉄道が少ない上、国土が広大で鉄道や道路など陸路では多大な時間を要するため、国内線需要が世界で最も高く[8]、全世界の国内線航空需要の3割近くを占める。長距離路線としてはニューヨークロサンゼルス線 (6時間)、ニューヨークホノルル線 (11時間)などがあり、短距離路線としては距離300 kmのサンアントニオヒューストン線[9]、200 kmに満たないロサンゼルスサンディエゴ線などが挙げられる[10]。また、アラスカ州西部は地域間道路網がないため、数十キロ離れた居住地を結ぶ定期便がセスナ機により運航されている[11]。
中華人民共和国
[編集]中国の国内線は国内幹線、国内支線、国内ローカル線に分類される[12]。2010年代以降、中国では高速鉄道の発展が著しく、短距離の国内線については減便や廃止が相次いでいる。例として済南市と南京市は500 km以上離れているが、京滬高速鉄道の開業に伴い、2012年に両都市を結ぶ定期便は廃止された[13]。短距離便の需要減少を受け、各航空会社は北京広州線といった長距離路線や国際線の競争力を強化するなど、方針を転換している[14]。2020年代において、国内線の市場規模はアメリカに次ぐ第2位であり、北京上海線、上海広州線は座席供給数で国内線としては世界で上位10位以内の路線である[15]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 全世界各国の国内線航空市場のうち29%を占める。
出典
[編集]- ↑ “Domestic flight”. WordNet Search 3.0. 2010年12月27日閲覧。
- ↑ “Busiest routes in the world - the top 100” (英語). Routesonline. 2019年10月19日閲覧。
- ↑ 武藤雅威, 内山久雄「[https://www.jstage.jst.go.jp/article/tpsr/4/1/4_TPSR_4R_01/_pdf/-char/ja 新幹線と航空の競合時代を反映した 国内旅客幹線交通の現状と展望]」(pdf)『運輸政策研究』第4巻第1号、一般財団法人 運輸総合研究所、2000年11月6日、2-7頁、2026年4月24日閲覧。
- ↑ “3 離島航空路線の維持・活性化” (pdf). 東京都都市整備局. 2016年5月21日閲覧。
- ↑ “Domestic markets review 2018: India and Indonesia overtake Japan; Nepal and Boliva see fastest growth”. Airline Network News & Analysis. (2018年12月19日)
- ↑ 旅行総合研究所タビリス. “JAL、ANA 羽田~伊丹線で機材小型化へ。737増加、国内線苦境を反映” 2026年4月24日閲覧。
- ↑ travelist. “東京~広島の移動手段|飛行機と新幹線の違い”. 2026年4月24日閲覧。
- ↑ “2021 Airport Traffic Report”. Port Authority of New York and New Jersey. p. 32 (2022年4月). 2026年4月24日閲覧。
- ↑ Houstonia. “Your Guide to the Hundreds of Nonstop Flights from Houston Airports”. 2026年4月25日閲覧。
- ↑ SANspotter. “Airline Reviews United Embraer 175 Economy review (it actually didn’t hurt that bad)”. 2026年4月25日閲覧。
- ↑ Grant Aviation. “Routes and destinations”. 2026年4月25日閲覧。
- ↑ “飞行小知识:如何确定飞机航线?” (中国語). 搜狐网 (2016年2月24日). 2017年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月14日閲覧。
- ↑ ET财经观察. “山东交通大戏上演:航空与高铁的对决!” 2026年4月25日閲覧。
- ↑ Zhao, Yuanfei (Scott) (2025年8月20日). “How high-speed rail is reshaping Chinese regional air travel”. Cirium Thought Cloud. 2025年9月14日閲覧。
- ↑ “Busiest Flight Routes in the World 2024” (英語). www.oag.com. 2024年12月17日閲覧。